映画ケーン

ハクソー・リッジの映画ケーンのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
3.4
普通の良い話のヨイショ映画で割と退屈だった。

銃撃戦も「銃撃戦ですよ!」って説明で面白くないし、救出シーンも音楽ガンガンで「何だかなぁ」って感じ。スパイディの祈りの為にみんなが待つ、ってシーンとか「ジ〜ン」って来るとこはあるんだけど。
1人の人間にフォーカスして描く場合はその人の良い面だけじゃなくて悪い面も描かないと厚みが出ない。

「戦争イケナイ!」「人情ダイジ!」みたいで叙情的過ぎる。
メル・ギブソンは敬虔的なキリスト教徒でありながら、これまではそれに反するものも描いてた。つまり作り手自身の葛藤や矛盾が作品に出てた。
『アポカリプト』はマヤ人に感情移入しながら、彼らがキリスト教によって酷い目にあわされるところを示唆してたし、『パッション』はキリストがいじめられるシーンを面白く描いてしまう功罪がある。

戦争映画の真髄は反戦を謳いながら、それが娯楽として面白くなってしまう、観客が求めてしまう、ってねじれにあると思う、『プライベート・ライアン』『戦争のはらわた』が好例な様に。その意味で今作は割と退屈だった。
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