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ハクソー・リッジのmeltdownkoのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.0
デズモンドの決意を不殺および戦争へのエンゲージメントと捉えてみると、前者についてはレンガのエピソードによる覚醒(および発砲)があったとわかるのだけど、後者に関しては自殺の独白を経てもなお動機がぼんやりしていたように思えて、なぜこの人は最悪の行為であるはずの人を殺すということについて他人のふるまいに寛容でいられるのだろうか、私は殺さないがあなたたちが殺すのには何の問題もないという態度はフリーライドではないのか(戦場にたずさわらないこと自体をフリーライドとみなしたからこそ志願したにしても)、と割と序盤についてはモヤモヤしながら気持ちの悪い童貞を観測していたのであった。と思っているとこの煮えきらなさを沖縄の総力戦がふっ飛ばしていくわけで、銃創、爆発、血、臓物、あるいは切株を気前よくぶちまけながら、ポリティカル・コレクトネスなんか知らねえよ、これが戦争なんだ、とでも言うように日本兵は地下から無尽蔵に湧きでるほとんどゾンビのようなクリーチャーとして描かれ(ていうか stinky animals って言った)、なんかもう実在の人物をダシにして単にこれやりたかっただけじゃねえの、というくらい生き生きとした戦場のシーンに思わず尻に力が入った。お前フリーライドじゃね、とか思っていた私すらデズモンドもうやめて!!降りて!!!ってなった。関係ないけどあのロープのシーンについてはお前ら伏線を回収しないと死ぬ病気かなんかなのかと思ったし、あと最後その切腹のシーンいる?って思った。
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