MaryLou

ハクソー・リッジのMaryLouのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
5.0
【覚書&ネタバレ】
「ハクソー・リッジ」とは、太平洋戦争沖縄戦において、浦添城址の南東にある「前田高地」と呼ばれた日本軍陣地。北側が急峻な崖地となっており、日米両軍の激戦地となったことから、米軍がこの崖につけた呼称(Hacksaw=弓鋸)である。

メルギブソン監督。2004年のパッション。2006年のアポカリプトから、10年後の本作監督。キャストは、主役のアンドリューガーフィールドを筆頭に、錚々たる面々で、全員が全員、素晴らしい演技と素晴らしいキャスティングで、これで映画の成功の半分は約束されてるって話。いつも思うけど。キャスティング、ホント重要。

宗教上の理由で、銃を持つことができないアンドリュー演じるデズモンド・ドス。時代的に、周りはみんな戦争に駆り出される中、自分も何かしなくてはってことで、衛生兵として志願して、激戦の沖縄で、そのままだったら、その地で死んでいたであろう兵士たちを、一人一人手当てして、引きずって、切り立ったハクソーリッジの上から、体にロープを巻いて、降ろして助ける、一人、もう一人。70人の命を救った兵士の本当の話。

戦争映画は、本当に好きじゃない。避けてきたし、痛いシーンや、厳しいシーンは、目をそらしたり、つぶったりして、いつもは絶対見ない。でも、この映画は、かなりの残酷な戦闘シーンが、スプラッター的なイメージではなくて、もっと本当の人と人の戦いとして心に刺さった。目を背けることが逆にできなかった。

いつも細かいことが気になってしまうタチだけど、この映画は、最初のドスの父親役のヒューゴヴィーヴィングの素晴らしすぎる演技で引き込まれてしまって、最後まで映画の一部になったように見てしまった。

あっでも、一つだけ。沖縄戦。日本兵との戦いで、実際、日本兵は壮絶な戦いの中、自決していたということもあったそうだから、そのシーンが出てくるんだけど、ここら辺はどう評価されてるのか気になった。

でも、めちゃめちゃいい映画。戦争反対!
MaryLou

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