くりふ

ミス・レプリゼンテーション: 女性差別とメディアの責任のくりふのレビュー・感想・評価

3.5
【誤って女性性を伝えること】

ネフリにて。アメリカ産2011年の、メディアの加害者責任を追ったドキュメンタリーですが、ネフリで配信始まったのは2018年らしく、明らかに#MeToo運動の影響でしょう。

原題は『Miss Representation』で、誤り伝えること “misrepresentation”と“miss”をかけている。巧いね。

扱う題材に古さは感じるが、要は、いかにメディアが女性をモノ化してきたかを振り返っています。これは今でも効く薬となりましょう。少々ヒステリックで、薬より“Bombshell”度が強いかな、とは思ったものの、知っておくべきことが多々、詰まっておりました。

男としての視覚的欲望を歪める必要はない、と思う一方、性のファンタジーと、現実の女性とをキチンと切り分ける訓練が要るかもね、特に若い時は、とも感じる。それだけメディアは人を毒するから。

メディアが女性を無力化する、との主張にはピンと来ないところあり。自分の周囲には、現実の荒波に立ち向かっている女性が沢山いるから。汚れない強さを培うことも必要でしょう。方法知らないと仕方ないが。

『スキャンダル』(2019)と併せて見たので、FOXニュースがいかにキャバクラ化しているかがよくわかり、苦笑してしまった。男女キャスターが並ぶと“爺と若い後妻だ”との指摘には座布団あげたくなった。

映画界の事情にも触れており、あの懐かし女優さんが、今こういうことをやっていたか!と少しの驚きも。

全体、仕上がりは易しいが、実は毒の詰まった一本でありました。

<2020.3.19記>
くりふ

くりふ