サディストの継父と情交を重ねているOL（桜ここみ）が、実家を飛び出した妹（佳苗るか）の失踪事件を憂えていく。性倒錯の渦に巻き込まれた姉妹の人生模様を描いている、オーピー配給のピンク映画。

本作の主人公姉妹は、母亡き後、粗暴な継父との3人暮らしを強要されている立ち位置。サディスティックな凌辱プレイを得意とする継父により、姉が妹の代わりに調教されてしまう。そして、継父に憎しみを覚える妹が、脱出を試みる。

継父役の森羅万象がベスト・アクティングを披露しており、天狗面を付けた凌辱プレイをフィジカルに表現している。古代の彫像のような裸体をもつ姉と、少女ヌードの面影を残す妹の対比もまた素晴らしい。

"性衝動により引き起こされるカオス状態"が、ピンクの短い尺の中に詰め込まれているため、やるせないイベントの釣瓶打ちを堪能することができる。"女に狂わされた男と、その男に狂わされる女"という、性倒錯のスパイラルが沸点に達している。

好きな監督は？と聞かれたら石井隆と答えていたが、Twitterやフィルマークスをやるうちに石井隆はシネフィルにとってアイドル監督だとわかり石井隆だとフツーなので山内大輔に鞍替えした。

その山内大輔が師匠格の加藤義一に脚本提供したオーピー製ピンク映画。

山内大輔が監督すると女性を痛めつけすぎて最後には特殊メイクのスプラッタものになるが、
さすが予算も考えてか同じ物語を『桐島』みたく姉視点からと妹視点からとをオンナの裏面を暴くように多めのエロチックシーンで見せてくれる佳作。

月の輝る夜、男に犯される姉妹の話。

恐らくオールアフレコ。セリフと口が合わなすぎて違和感だらけなのがとっても気になる。

サディストの父親に犯されて、マゾに目覚める姉。隣人に拉致監禁されて犯される妹。

それぞれの視点でそれぞれのセックスを描く。正統っちゃ正統のピンクなのかしら