井の頭恩賜公園100周年記念事業の一環として制作された今作。
公園。
青春。
音楽。
ファーっと風が吹き抜ける心地良さ。
優しい日光の温もり。
なにげない木々の香り。
人々の奏でる様々な音。
公園って落ち着くよね、と。
今の若者をうまく描けていると思う。
橋本愛演じる、大学生の純。
何事も流れに身を任せてるような大学生。
自分はこうだからこうなんだ、
でもいいやこれで、
これが私だから、
と現代にありがちな
『今』をなぁなぁと生きる
スプリングコートの似合う
元子役のお洒落系女子大生。
永野芽郁演じる、
小説家を目指す高校生、ハル。
亡くなった父親の恋文を見つけ、
それを題材に小説を書こうと、
色々と情報収集をしながら、
『過去』に想いを馳せる、
好奇心旺盛ゆるめ私服系女子高生。
染谷将太演じる、
ミュージシャンを目指し
スタジオで働く、トキオ。
SNS大好き、
フォロワー万歳、
これからの俺を見てくれ、
と『未来』に夢見る
芋っぽい吉祥寺系おされ現代っ子。
そんな3人が、
割とご都合主義ながらも、
ハルの父親とトキオの叔母による
未完成の恋愛ソングを
吉祥寺で作りあげていくお話。
純=現在
ハル=過去
トキオ=未来
目指すものが一緒でも
見てるものが完全に三者三様。
そこに
100年記念制作の意味を感じた。
過去があるから今に至り、
今があるから未来へ広がる。
正直最後のシリアスになる部分は
要らなかったと思う。
記念制作としては満足だったが
話の内容はそこまでだと
感じてしまったので、
ハッピー&ポップ、
ノーミュージックノーライフ、
みたいな映像の雰囲気とカットだけ
とことんお洒落に突き詰めて
イントロから大サビまでの
盛り上がりを再現した
1曲のMV風井の頭公園PR青春ムービー
ぐらいのアート作品としたほうが
面白かったのでは?
ただ作風として好みで、
人と人が繋がり紡ぐ物語として
メッセージ性を持たせた事による
利点は存分に感じました。
なにより橋本愛ちゃん綺麗だし、
永野芽郁ちゃん純真で可愛いし、
染谷くんのいつもの独特なキャラ。
雰囲気もあって音楽もかなり素敵。
現実の世界と過去の世界がおり混ざる場面も、比較的わかりやすく、純とハルの脳内思考を上手く表現されてると思いました。
ただ一番思ったのが、
とにかく走るシーンが多い。
そんなに急ぐ必要ある?
ってぐらい。笑
目標持ったら
突っ走りたいな。
そう思わせるほどに
ひたすら走る、走る。
愛ちゃんと芽郁ちゃんの
走り方の違いが面白かったな、と。
そんな変な見方をしてました。
話の内容というよりは、
ゆるっとしたお洒落感と
井の頭公園の匂いと風を
存分に楽しむ作品なのかな。
公園に、ふと行きたくなります。