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PARKS パークスのfocsmanのレビュー・感想・評価

PARKS パークス(2016年製作の映画)
3.6


井の頭恩賜公園100周年記念事業の一環として制作された今作。



公園。
青春。
音楽。



ファーっと風が吹き抜ける心地良さ。
優しい日光の温もり。
なにげない木々の香り。
人々の奏でる様々な音。

公園って落ち着くよね、と。





今の若者をうまく描けていると思う。

橋本愛演じる、大学生の純。
何事も流れに身を任せてるような大学生。
自分はこうだからこうなんだ、
でもいいやこれで、
これが私だから、
と現代にありがちな
『今』をなぁなぁと生きる
スプリングコートの似合う
元子役のお洒落系女子大生。

永野芽郁演じる、
小説家を目指す高校生、ハル。
亡くなった父親の恋文を見つけ、
それを題材に小説を書こうと、
色々と情報収集をしながら、
『過去』に想いを馳せる、
好奇心旺盛ゆるめ私服系女子高生。

染谷将太演じる、
ミュージシャンを目指し
スタジオで働く、トキオ。
SNS大好き、
フォロワー万歳、
これからの俺を見てくれ、
と『未来』に夢見る
芋っぽい吉祥寺系おされ現代っ子。

そんな3人が、
割とご都合主義ながらも、
ハルの父親とトキオの叔母による
未完成の恋愛ソングを
吉祥寺で作りあげていくお話。




純=現在
ハル=過去
トキオ=未来

目指すものが一緒でも
見てるものが完全に三者三様。

そこに
100年記念制作の意味を感じた。

過去があるから今に至り、
今があるから未来へ広がる。





正直最後のシリアスになる部分は
要らなかったと思う。
記念制作としては満足だったが
話の内容はそこまでだと
感じてしまったので、
ハッピー&ポップ、
ノーミュージックノーライフ、
みたいな映像の雰囲気とカットだけ
とことんお洒落に突き詰めて
イントロから大サビまでの
盛り上がりを再現した
1曲のMV風井の頭公園PR青春ムービー
ぐらいのアート作品としたほうが
面白かったのでは?

ただ作風として好みで、
人と人が繋がり紡ぐ物語として
メッセージ性を持たせた事による
利点は存分に感じました。






なにより橋本愛ちゃん綺麗だし、
永野芽郁ちゃん純真で可愛いし、
染谷くんのいつもの独特なキャラ。

雰囲気もあって音楽もかなり素敵。

現実の世界と過去の世界がおり混ざる場面も、比較的わかりやすく、純とハルの脳内思考を上手く表現されてると思いました。



ただ一番思ったのが、
とにかく走るシーンが多い。
そんなに急ぐ必要ある?
ってぐらい。笑
目標持ったら
突っ走りたいな。
そう思わせるほどに
ひたすら走る、走る。
愛ちゃんと芽郁ちゃんの
走り方の違いが面白かったな、と。
そんな変な見方をしてました。




話の内容というよりは、
ゆるっとしたお洒落感と
井の頭公園の匂いと風を
存分に楽しむ作品なのかな。




公園に、ふと行きたくなります。
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