focsman

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのfocsmanのレビュー・感想・評価

3.7


ひと息吐いて、
夜空を眺めてみる。





点と点を繋ぐ。





淀む空気と青い月。

そこに潜む生と死。

鬱屈。

七色に光るネオンライト。

そこはかとなく響く機械音。

鳴り止まぬビート音。

孤独。

辺りに交差する言葉。

スマホ。

震災。

孤独死。

渋谷と新宿。

都会の喧騒。

仲間。

あの人とこの人と。

あなたとわたしと。

右目の世界。

絶望。

希望。

息苦しい東京。

恋だとか、愛だとか。

光。

酒と煙草。

嫌な予感と良い予感。




そんな感じ。




詩的な彩りのあるセリフと
何処か心ここに在らず、な
変わり者の若者2人が織り成す物語。

何かを常に抱えて日々を過ごす
このモヤっとした停滞感。



人は誰かと繋がってないと
生きていけないのかな。

こんな普遍的な事柄を
考えても仕方のないことなのかな。



変わったキャラクターや
諄すぎる台詞廻し、
次々に切り替わるカット。
劇的な変化も無く、
感情的なシーンも少ないので、
淡々と物語は進んでゆく。

かなり視聴者は選ぶと思うが、
私は好きだ。
なんとなく、好きだ。


言葉では言い表せない
不確定な何かを感じる
独創的な雰囲気のある映画だった。


漠然とした現代への不安感。
その中で、
自分なりに自分の目で見つめ、
自分なりの解釈をし、
歩んでゆくしかない。


愛や奇跡。
そんなもんを信じないと
人間は生きていけないのだ。
不完全な脆さも垣間見えた。


何気なく毎日使う
『言葉』というモノの面白さに
改めて気づかせてくれた。




頑張らなくっちゃな、って。
でも頑張るってなんだろうな、って。
生きてくってなんなんだろうな、って。






地に足つけて。

死ぬまで、生きるさ。




ざまぁみやがれ。
focsman

focsman