雰囲気良さげ！な吉祥寺を詰め込んだものの、ストーリーは消化不良で残念な作品
映画公開時、本作のポスターをあちこちで見かけました。まあ、吉祥寺は近所には違いないので..
あらすじ:吉祥寺に住む大学生がひょんなことから出会った仲間たちとともにオープンリールテープに吹き込まれた、途切れた歌を完成させる...
ということなのですが
うーん、途切れたフォークソングの続きを創るところは良かったですよ。吉祥寺の街、井の頭公園を駆け抜けていく爽やかさな感じは、歌を創るピースを探していく様であり、すごく良かったのですが...
そこから、主人公の純が自分の人生に対して内省的になっていく後半が悪い意味で意味不明になっていってしまうので残念でした。いや、暗喩的で分かりにくいのがダメなわけではないのですが、今までの流れが急に塞き止められてまっ逆さまに急降下する感じで、非常にもったいなかったです。
風景
井の頭公園開園100年記念だけあって吉祥寺駅周辺でのロケはたくさん出てきましたね。サンロード、井の頭公園、京王井の頭線..これでもか！と吉祥寺の代表的な風景が出てきたのはいいのですが、逆にそれがチープな印象を与えている気がします。いかにも｢雑誌に載ってそうな｣吉祥寺ばかりで、一本調子でした。もうちょっと路地とか、ごちゃごちゃした感じ、多摩っぽさと23区っぽさのグラデーションさとかがないと.. .そういうのも含めて吉祥寺ですから。(市外局番0422)キレイすぎますね。
この映画のは主役は結局井の頭公園になるのかなあ？でも、ロケにこだわった結果、60年前の雰囲気が余り伝わってこず、そういう面でも一本調子だった気が。そして、井の頭文化園(要は動物園)が出てきて、井の頭公園の象徴でもある象のはなこについての言及は嬉しかったです。しかし、やっぱり現在のアイドル、モルモット軍団が登場しなかったのはマイナスです(笑)モルモットの歌もあるのだし(笑)
他の動物園でもモルモットとふれあえますが、自分が見た中では井の頭のモルモット軍団が一番元気です。癒されます。
俳優陣では染谷くんの存在感が良かったな。
自分が使う駅、通る街並みがたっぷり観られたこと以外は見どころはあまりありませんでした。
もうちょっと後半どうにかなったでしょーという残念感でいっぱいです。
