MasaichiYaguchi

PARKS パークスのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

PARKS パークス(2016年製作の映画)
3.4
吉祥寺の近くに住んでいる私にとって、吉祥寺の象徴で桜の名所である井の頭恩賜公園開園100周年を記念して製作された本作で登場する若者と音楽の街としての「吉祥寺」や、ハーモニカ横丁、サンロード商店街、キラリナ京王吉祥寺、コピス吉祥寺、東急百貨店吉祥寺店等の商店や店舗、これらの街並みやスポットは身近な存在ながら、改めて自分の生活の一部になっていると思う。
物語はヒロインで女子大生の吉永純のモノローグで始まり、そして同様にモノローグで幕を閉じるのだが、この間に様々な出会いがあり、挫折や葛藤を交えたドラマが展開していく。
発端は純の住むアパートに見知らぬ女子高生・木下ハルが訪れ、自分の祖父に纏わる過去を解き明かそうということから始まる。
やがてハルの祖父の過去を巡る行動は、純やその過去に関わる人々を巻き込んでいく。
この過去を探る中で彼女らはある楽曲を発見するのだが、“不完全な状態”だったこの楽曲を様々な事情で“リメイク”する羽目になる。
純役の橋本愛さんはギターとボーカル、関わる羽目になった小田倉トキオ役の染谷将太さんはパーカッションとラップ、ハル役の永野芽郁さんは縦笛等を担当して楽曲演奏に携わっていく。
オリジナル楽曲が作られたのが50年前ということもあり、この作品は過去と現代とをファンタジックに交錯させていく。
そのリンクさせる象徴的なものが井の頭恩賜公園内の弁天橋で、恰も過去と現在との“架け橋”のように見える。
果たして過去に埋もれていた楽曲は現代に蘇ったのか?
今、吉祥寺では改元に伴い様々なイベントを開催していて、ゴールデンウィークも明け、少し落ち着きを取り戻したこの街を休日に散策するのも良いかもしれない。