おだんごぱん

ラスト・ボディガードのおだんごぱんのレビュー・感想・評価

ラスト・ボディガード(2015年製作の映画)
3.0
酷評が多いけど、悪くない映画だと思う。

映画全体に漂う緊張感やうさんくささ、何を頼りにすればいいのか分からない不安定さが、まさに主人公が体験している「感じ」なのだと思う。聞こえてくる音も、会話以外ほとんどヴァンサンの主観的な音だろう。後半話し声みたいなのも聞こえていたし。

主人公は戦場で一体どんな体験をしてきて、どんな傷を受けたのか。護衛している家の主人を「武器商人」かと疑って問い詰めるところは痛々しい。

ジェシカとアリと共にカナダへ行こうかと血迷ってもみるけど、自身の怒りや暴力性のコントロールの効かなさに気づき、もはや戦争とはかけ離れた生活をする人達とは同じようには生きられなくなったと悟ったから、カナダには行けなかった。

ラストは幻想かな。マティアスの切ない演技がたまらない。