ストーリーの飛ばし方がアクロバティック過ぎる。終盤尿意が限界を迎えそうになったが、これ一瞬でも抜けたらもう場面変わってるな…と思い、プルプルしながら耐え抜いた俺は偉い。おそらく軸としては奇跡を起こす事が出来る聖少女と、彼女を良いように使う大人の狡賢さと、ってところなんだろうが、いかんせんコロッコロストーリーが変わるもんで何が何だか分からん…。そもそも開始20分の時点で、主人公が赤牛を追いかける→運命の女性に出会う→結婚する→子供が産まれる→4歳くらいに成長する、って展開の速さに圧倒された。そんでこの嫁がまた可愛くて…と思ったら悪漢に拐われる→取り返しに行って殺す（町の有力者に殺してもらう）→悪魔が付いてたらしく聖少女がその報いの犠牲になる→棺が空を飛ぶ、いやもうSFコメディやん…となる。聖少女はなんでも願いを叶えられるから、テレビ画面に映った飴玉を欲すればザックザクとブラウン管の中から飛び出してくる、貞子の元ネタこれでは？どう言う受け止め方をすべき作品か最後まで分からなかったが、型にはまっていない、これぞまさにシネマ・ノーヴォだ！って事でよろしいか…？お洒落なハンモック、たしか『マクナイーマ』もハンモックで寝てた気がする。

ほぼ記憶がないが、少女がテレビの画面に写ってるものを画面外に引きずり出す超能力をもっており、家族を幸せにするような話だった。
ブラジル映画は、平然と無茶な設定を織り込んでくる。

岸辺の小屋で暮らす、貧しい一家。ある日、父が舟に乗ったまま帰ってこなくなった。青年になった息子は、父はどこかで生きていると信じている。子牛を追って、ある邸宅に迷い込んだ青年は、そこで出会った娘と結婚し、子供が生まれる。子供は、突然砂嵐を起こすなどの不思議な能力を持っていた。やがて能力を使い果たしたかのように子供は亡くなる。葬儀の日、棺は空に舞い上がり、消える。故郷に帰った青年は、川の向こうの父に呼びかける。「僕もそちらに行きたい」。すると、対岸から船に乗った人影が…。
サントスの「リオ40度」、「乾いた人生」に、ファンタジックな願望を加えた異色作。