憲

マイ・ビューティフル・ランドレットの憲のレビュー・感想・評価

2.8
初期のダニエル・デイ=ルイス作品。
リーゼントのような髪型に上の方の部分だけの金髪ヘアスタイル、キャスケット。
ただのチンピラではなく、美形だった。

何の予兆もなく男2人のキスシーンが始まり、構成が逆に面白いなと思った。
友情と愛情表現はどんな形でも良い。

サッチャー政権下のイギリス。
パキスタン移民の青年とロンドンの人種差別者の青年が恋に落ちた話。
イギリスの抱える現実問題おおまかに三つ、
不況、失業、移民
ジョニーの更生したいという気持ちが痛いほど伝わる。
コポコポ鳴る水と泡の音がコインランドリーの音のようで居心地良く効果的。

新人のダニエル・デイ=ルイスは、当時、ステレオタイプの中産階級的な役柄しか来ないことに不満を抱いていたという。そして、エージェントを通じて、『マイ・ビューティフル・ランドレット』の脚本を読み、ジョニー役にすっかりほれ込んだ。「絶対に演じたいと思った、初めての役柄だった」と彼は語っている。それまで見せることができなかった人間の深い部分を演じきれる初めての役柄と考えたようである。
当時、この役の候補として挙がっていたのが、ティム・ロスとゲイリー・オールドマン。
ダニエル・デイ=ルイスは、スティーヴン・フリアーズ監督に「この役がこなかったら危ないダチたちがお礼参りにいくぜ!」という内容の脅迫状を監督に送ったという。
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