LEONkei

狙撃者のLEONkeiのレビュー・感想・評価

狙撃者(1952年製作の映画)
3.6
自らの闇に苦悩し精神を病んだ男は、その欲求を満たす為に何の罪もない女性達をライフル銃で次々と射殺する。

すでにこの映画の冒頭で問題提起しているように制作された1952年から現在に至るまで解決できない問題…
いや、たぶん一生解決できないであろう人間のココロの問題を表現した作品ではないか。

時代が進み様々な分野で物事が進歩しても、人間のココロだけは進歩どころか後退しているかの現代社会。

喜怒哀楽と人間にココロがある限り幼い頃の環境や精神的苦痛を与えられた場合には、あるスイッチが入ったかのように異常なサイコパスに変貌する可能性を秘めている。

この映画の連続殺人犯も自らの殺人を誰かに止めてもらいたいと苦悩する姿、その殺人犯を追う刑事らの姿勢が単に殺人犯を追う気持ちから一人の人間を探す変化が良く表現されている。

巨大な煙突に清掃員が登り犯人の姿を目撃したシーンは印象的で、モノクロの陰影と素晴らしい構図に共感を覚えます…(u_u)
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