【第27回ヴェネツィア映画祭 金獅子賞】
ジッロ・ポンテカルヴォ監督作品。ヴェネツィア映画祭金獅子賞を受賞、キネ旬外国映画ベストテン第1位にも選ばれた。アカデミー賞では第39回に外国語映画賞にノミネート、第41回に監督賞と脚本賞にノミネートされたという珍しい作品。
アルジェリアの独立をドキュメンタリー・タッチで描いた異色作。ドスンと重い内容ながら、的確に地下組織をめぐるフランス軍隊との攻防を描ききっている。
展開も早く飽きない。ヨーロッパ人地区にテロを起こして捕まっていくというのが繰り返されるが、テンポの良さもありグイグイと引き寄せられる。
独立までの道のりってこうなんだと思わず納得させられる作品。軍隊の指揮官の目線もあり、単純な悪役というより狡猾な敵という描かれ方が誠実だ。
また、地下組織の構成も非常に勉強になる。図らずもこの間みた若松孝二監督『実録・連合赤軍』を思い出した。戦略的に考えをめぐらせないと失敗するんだなぁ、というのを最後の独立で実感した。