垂直落下式サミング

忍びの国の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

忍びの国(2017年製作の映画)
3.5
アイドルとかコメディアンとかTVバライティのスターが映画に出演するとき、周囲から明らかに浮いてる奴を演じさせると上手くいくことが多い。この作品は、大野智の魅力一本勝負で走り抜けていく!
無門という荒唐無稽な超人を主人公足らしめているのは、他ならぬ嵐の大野くんの存在感だ。彼の天性の感覚のよさなのか、時代のトップアイドルとして積み上げてきた経験からくるものなのかはわからないが、普通だったらちょっと無理のある主人公のキャラクターを物語内でリアリティをもって肉付けしている。
大野くんと鈴木亮平が対決する短刀を用いたナイフ格闘は、二者の体格差を活かしアイドルダンスなどの要素を取り入れたアクションの見せ方をしていて、シーンとしては短いのにかなり凝っている。明らかに鈴木亮平のほうが動きにキレがあって強そうだが、無門は天才ゆえ感覚的・直感的に肉体が自然に反応し動いているような演技だ。
普段こういうジャニタレ映画はどうせつまんねえとか、ノリがうぜえとか、ドラマがクソとか、アクションがすかしてやがるとかいって難癖付けてみない私でも、こういうシーンがひとつでもあると好きになれる。
主役に必要なのは役柄にフィットした“華”であって、演技力ってあんまり重要とされていないことがよくわかる。
たぶん海外ウケいいですよ、明るいし、忍者だし。