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アンダーワールド・ストーリーのこの名前は既に使用されていますのレビュー・感想・評価

3.0
自分の書いた記事が原因で検事が負傷し、捨て駒的に新聞社をクビになった記者が主人公。田舎の新聞社に移り、殺人の冤罪を着せられた黒人メイドのために奔走する、というストーリー。麻薬王Carl Durhamを演じたHoward da Silvaの不気味な演技や『復讐するは我にあり』(今村昌平)の緒形拳と三國連太郎を彷彿とさせる新聞社主の親子など、魅力的な登場人物が多い。しかし物語の最後まで、主人公の行動原理がカネもしくは功名心としか思えず、人間なんてそんなもの言われればそれまでだが、黒人メイドがストーリーからフェードアウトしてしまうことを考えると、あまり見ていて気持ちはよくなかった。個人的にはセンチネル新聞社主の息子のエディプスコンプレックスをもっと深掘りすれば、より奥行きのある物語になったと思う。あまりにあっさり父親に殺されてしまい残念(でも、あの階段落ちは良かった)。作中に、主人公とヒロインの恋愛描写、キスシーンなどがなかったのも珍しい。新聞記者が主人公の探偵映画と思えば、十分面白い。