Shiro

ガザの美容室のShiroのレビュー・感想・評価

ガザの美容室(2015年製作の映画)
3.0
ライオンに綱をつけて引いている男は監督だそうです。監督が生まれた1988年にはガザにあった映画館も閉館し、以降も作られていないため、監督は映画館で映画を観る機会がなかったとか。これは人づてに聴いた話で、本当かどうか不明ですが。
脚本はもうちょっと練った方が良さそうでしたが、上記のような事情を考えると、致し方ないのかもしれません。

ワンシチュエーションのお話です。外ではヒジャブを着用しないといけない女性たちも、美容室では解放的になり、好き勝手によもやま話をしています。しかし、扇風機が1つしかなく店内はすし詰め状態。苦しくて暑くて、自分の番はなかなか回ってこない。そのうちに停電になり、誰の髪型も仕上がらないうちに、窓の外は戦闘状態に。この不自由な腹立たしさ、閉塞感こそが、ガザの人々の置かれている状態を表しているのだなと思いました。ライオンが可哀想でした。実際に2007年にあった事件を元にしているようですが、ガイドラインに沿って安全に撮影されたのか気になりました。
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