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日本の戦争のmitakosamaのレビュー・感想・評価

日本の戦争(1963年製作の映画)
3.5
毎日新聞社制作で配給が日活。
日本の近代の戦争の記録映像をダイジェストで辿るドキュメンタリー。ドキュメンタリーというか、むしろ記録映画みたい。

日露戦争から、日中戦争、そして太平洋戦争へ。そもそも日露戦争の盧純攻略から無茶な人海戦術で大勢の兵隊が死んでいるのに、太平洋戦争では更に無茶な戦争で、如何に近代日本の人命が安かったかがヒシと伝わる。

映画自体は、毎日新聞が制作だけあり穿った見方をすれば多少左翼的と言えなくもない。
が、それ以上になんて無謀で無益な戦争に歯止めが効かなかったか、その現実をまざまざと見せつけられる。そこに右も左も無いなと言わざるを得ない。
やはり記録として残る映像には有無を言わさぬ説得力がある。

死んでいく兵士、崖から飛び降り自決する少女達、飛行機での特攻。
米軍の空母への着艦に失敗し爆発する戦闘機の数々。
何もかもが紛れもない現実だ。

冒頭の「日本の近代史は戦争の歴史」とは、正にその通りだ。
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