ロム

キセキ あの日のソビトのロムのネタバレレビュー・内容・結末

キセキ あの日のソビト(2017年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

観ているあいだ、いろんな思い出が過ぎった。

中学から大学の途中まで、バンドを組んでロックを演っていた。
高校3年のとき、音楽雑誌の企画かなんかで気軽な感じでデモテープを送ったら、レコード会社からスカウトのような申し出があった。あんまり詳しく覚えてないが、まだまだ下手くそだが、磨けばいいモノを持ったバンドなので真剣にやらないかというようなことだったと思う。
一瞬気持ちが揺らいだが、大学に行きたかったのと親の反対が目に見えていたので断った。
というのは言い訳。要はそこまでの気持ちと自信がなかったからだ。
あのとき、音楽に対するもっと強い気持ちがあって、親を説得して前に進んでいたらどうなっていただろう。
この映画のJINのバンドのようになっていたか(その可能性大)、GReeeeNのように成功を収めていたか。それは永遠に分からない。

どんなジャンルでも、成功を収めるのはほんのひと握り。そこに至るまでの努力はもちろん、強い精神力とおそらく運も欠かせない。それをこの兄弟の姿ではっきりと実感した。

兄が言う。人には、好きとか嫌いとは別次元の、与えられた役割というものがある、と。(縁の下の力持ち)この、ある意味残酷な事実が分かって、そして受け入れることができるかどうか、時として辛いことだけど、大切なこと。それがその先の人生を豊かにする。

厳格なお父さんが合宿に出かける息子たちを見送る時に言った言葉は、ちょっとわざとらしかったかな。

そういえば、メジャーデビューして、歯医者さんにもなった彼らが、東日本大震災のときにボランティア活動をしたという話を聞いたことがあり、それも思い出して、彼らの医師としての使命感とプライドは、ミュージシャンとの二足の草鞋を履くことでよりブレないものになっているような気がした。

菅田将暉と松坂桃李は、実に多くの作品に出ているが、決して消耗するわけではなく、むしろ作品をこなすたびにいい俳優になっているのだろうな。

最初の方の受験期は、息子の大学受験時代を思い出した。予備校には行かなかったけど、なかなか大変だったなぁ。
ロム

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