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哭声 コクソンのstudioPkidsのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.2

未舗装道路が点々と存在する山間の村。

事件など滅多に起こらないのが
ジョングという主人公の警官の呑気さから伺えるわけだが
突如、村を襲う連続殺人事件。

一人の殺人鬼が起こした殺人ではない
共通点の存在する、互いに因果関係のない複数犯による複数の事件が狭いこの村で発生している

村の山は険しく深い
そこにいつからか住み着いた謎の日本人

鬱蒼とした
日の光も遮る山の木々
それらによる山全体の薄暗さと
天候も雨が多い
木々が育つに適した環境の村。
そんな、村の全体像が
謎の日本人の陰ある雰囲気と相まって
観ている我々は全員、
悪魔の正体はこの日本人だろう!と誘導されてしまう。

なんか
そんな風に作られていることに後半に気づく。
目覚めのカットが多用されているが
何が真実か混乱する流れの中、
この目覚めるカットが挿入されることで
今我々が目にしたシーンが誰かの夢の中で見えていたものだと判り、
”夢”というシークエンスで括られることで、さらに我々は誘導される。
植え付けられて他が見えなくされていた
恐るべし!
ナ・ホンジン‼

そもそも、
悪魔とか
祈祷師とかって形の無いものたちに
日本人のような無宗教な人種は振り回されたりしないと思うのだが
いつの間にやら悪魔に怯え
祈祷師にすがることになる
そうなんです
知らぬまに、自身の内に悪魔を探してみたりしているのです。

恐るべし!
ナ・ホンジン‼

ラストは観たまま受け取っていいものか迷うが、
幻覚作用がある毒キノコで落としてしまっていいものかワカラナイし
悪魔の存在もわからない

ただ
警官とか牧師とかっていう超現実の象徴である者たちこそが
形無き者達に翻弄され続ける物語は見応え充分でした

お時間ある方、
是非ご覧になることをお奨めします。
















ここからは個人的な意見ですが
面白かったが長かった
┐('~`;)┌
例えば「哭声 」156分なら
私はやはり”ドラゴンタトゥーの女”158分を選ぶかも?