こうだい

哭声 コクソンのこうだいのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.0
憂鬱感抜群の作品!

衝撃の終わり方するんだよね、この映画。しかも、これがまた本当に府に落ちない!もはやミスリードとかじゃなくて混乱させに来てるでしょ。

ストーリーのキーを握る人物
①日本人②胡散臭い祈祷師③正体不明の若い女

3人それぞれに意味深なシーンがあり、それらが混沌を極めている。それらが互いを打ち消し合い、明確な結論が出ない。結論を出そうとした時、一つは肯定に働くが、ひとつは否定に働いてしまうのでスッキリできる結末が用意されていないの!

パッケージにこう書いてある。

「疑え。惑わされるな」

人はある物を見る時、絶対に自分のバイアスを通してしまう。そのバイアスを信じるか疑うかで、ある物は良くも悪くも、極論を言えば神にも悪魔にも見えてしまうという事。つまり、視聴者は鑑賞中に彼ら(登場人物)を徹底的に疑う、という体験をさせられ、その結果この混沌に混乱する…。そして観た後、何を信じるかを考える…。こうして余韻に浸っているのも、全ては監督の思惑通りという事なのかな…?

全て毒キノコのせいにしてしまおう!ってのも一つの結論ではあるんだけど……。うーむ。でも正直な所、スッキリ納得出来ない映画はあまり好きじゃない〜!

【解説】
『アシュラ』などのクァク・ドウォンが主演を飾り、『チェイサー』『哀しき獣』などのナ・ホンジン監督と組んで放つ異色サスペンス!
とある田舎の村に一人のよそ者が出現したのをきっかけに凶悪な殺人事件が頻発し、人々が混沌の中に突き落とされるさまを描く!
『華麗なるリベンジ』などのファン・ジョンミンをはじめ、日本からベテラン國村隼が参加。

【内容】
警察官ジョング(クァク・ドウォン)が妻と娘と暮らす平和な村に正体不明のよそ者(國村隼)が住み着いて以来、住人たちは彼のうわさをささやいていた。やがて、村で突然村人が自分の家族を手にかける事件が発生する。犯人には、濁った目と湿疹でただれた肌という共通点があり……。

とにかく國村隼が怪演。彼無くして、このような考察ありきの映画は成功しなかっただろう。彼の無表情の表情は、作品全体に深みを与え、中盤以降の映画の質を格段に上げている。
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