爆裂BOX

フッテージ デス・スパイラルの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.5
ジェイソン・ブラムが製作を手掛け、スコト・デリクソンが監督したイーサン・ホーク主演のホラー・サスペンス「フッテージ」の続編です。スコト・デリクソンは今回製作と脚本にまわって、「シタデル」のキアラン・フォイが監督してます。
別居中の夫から逃れる為、コートニーは9歳になる双子の兄弟ディランとザックを連れて田舎へと移り住む。だが、ディランは夜毎家の中で子供たちの霊に8mフィルムと映写機で映像を見せられる。映し出されたのは惨殺される家族の映像で…というストーリーになっています。
前作の記憶はもう朧気で、イーサン・ホークのビビり演技が良かったくらいの記憶しか残ってないですが、今作で主役を務めてるのは前作でイーサン・ホークのファンで協力してた副保安官です。そういえばそんな人いたなぁ~と思いましたが、前作の件で首になって私立探偵をしながら邪神ブグールが起こす事件を追っているという設定になっています。しかし役名が「某副保安官」って…(笑)名前ぐらい付けてあげてよ。
一応、今回もスナッフ・フィルムに対する謎解きのような物も行われますが、前作でネタが割れてるので謎解きとしての面白味はないかな。
また、主人公は一応某副保安官ではありますが、どちらかというとかつて惨劇があった家に越してきて、邪神ブグールに目をつけられたディランの方がメインスポットが当たってますね。基本的に物語としても最後の方になるまで事件らしい事件は起こらずにディランがブグールの配下となった子供たちの霊に8mフィルムを見せられる展開が続きますが、前作と同じく流される8mフィルムの内容が中々良くて結構飽きずに見れましたね。宙吊りにされてワニに頭からかぶりつかれたり、雪の中に埋められたり、水浸しのキッチンに縛られた家族の下へ剥き出しの電線投げ入れたりとその内容は陰惨な感じで良いですね。特に「教会」の腹にネズミの入った鍋を乗せて、その鍋底をアツアツの石?炭?のせて熱さからネズミが皮膚食い破って腹の中に潜り込んでくる実際にある拷問方法を使った殺人フィルムは直接的なグロ描写は腹からネズミ出てくる所くらいだけど、結構エグくて良かったですね。結構、ストーリーうんぬんよりもこのスナッフ・フィルム鑑賞がメインになってる感じがありますね。
シャニン・ソサモン演じるヒロインは二人の息子を連れてDV夫から逃げてますが、夫が警察を使って息子取り戻そうとするサイドストーリーも、「引っ越しが殺人のトリガーになる」という設定と絡めてサスペンス要素だしてました。子供たちの霊に8mフィルムを見せられるディランにザックが嫉妬していく兄弟の確執も面白かったですね。結局ディランに素質がなさそうだったからザックにしたのか、ザックに火をつける為にディランを指名した風を装ってたのかどっちなんだろう?
終盤の展開はトウモロコシ畑で十字架に縛られて磔にされたり、トウモロコシ畑の中を弧型のか守った少年に追いかけられたり、子供たち(の霊)が主人公達を家中探し回ったりと「チルドレン・オブ・ザ・コーン」味も出て来て楽しかったです。主人公車でザック跳ね飛ばしたのにはちょっと笑ったけど、ザックも痛そうにしながらもすぐ起き上がったの見ると、軽く接触させただけなのか?結局一家惨殺達成できなくても連れてはいかれるんですね。
ラストはまあありがちなオチでしたね。ブグールを消滅させる方法見つからない限りまだまだ続くんだろうなぁ。まあ、続編はこれだけ年数経ったらもう作られそうにはないですが。
ネタが割れてる分、前作よりも怖さや謎解き要素は減ったし、安っぽい雰囲気もありますが、オカルトホラーとしてはそこそこ楽しめるレベルの作品だと思います。