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21世紀の資本のKSのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
4.5
世界中で格差が拡大し、賃金が上がらない不平等な世の中になっている原因をテーマにした映画。

答えは簡単、資本家に課税をし、福利厚生を充実すれば良いだけ。それをやったのが、第二次世界大戦後のイギリス。なぜそれができたのか?

選挙でそういった政治家を選んだから。
それはケン・ローチ監督の映画『1945年の精神』に描かれている。この映画でもそこで使われていた映像が何度も出てきた。

この映画を見ていると、民衆が自分たちの権利を獲得するための前段階として、大多数が行動を起こすための社会的合意が必要になる。1945年のイギリスでは戦争が起こった事により社会的合意が生まれた。しかし、現代は、格差が拡大しており、中間層がなくなれば社会運動が停滞していく、日本でもデモは活発になりつつあるが、投票率は50%を切っている。

この映画は、人々が自らの権利を主張するための社会的合意をどうやって形成するのかという問いかけだと思う。

格差拡大は、中間層の縮小を招き、中間層の縮小は経済の停滞を招き、経済の停滞は不況に続く、不況は戦争へと繋がる。私たちは世界大戦を回避して社会的合意を作れるのだろうか。
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