千里

ワンダー 君は太陽の千里のネタバレレビュー・内容・結末

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

予告編を観て気になっていたので観賞。生まれつき人とは違った顔を持つ10歳の少年が初めて学校に行き、色んな人と関わりながら周りに変化をもたらしていく物語。元々好きそうなタイプだと期待していたけど、控えめに言っても期待以上の傑作だった!!

主人公オギーの学校生活を中心に、彼自身が経験する問題や、彼と関わる人たちがそれぞれ抱える問題を、登場人物毎にパート分けして描かれているので、ちょっとしたすれ違いなんかもとても分かりやすく作られていた印象。

オギー君自身の問題も辛いし、そんな事情を抱えている弟のことが大好きだけど両親に自分のことも見てもらいたい姉のヴィアの気持ちも分かる。オギーの親友ジャックの行動やヴィアの親友ミランダの心理描写も見事で皆に共感しやすかった。その上で中心にいるオギー君が外見の違いを感じさせないくらい魅力に溢れた少年だという風に描かれていたのもとても好感が持てたし、締めの校長の言葉は凄く説得力があったと思う。

今作では分かりやすく"外見の違い"を通して物語が展開されるけど、外見以外でも普通と少し違うと奇異な目で見てしまうのが人間なのだとは思う。ついつい忘れがちになってしまうが、そもそも誰しもが自分とは違う人間なのだから、今作のメッセージ通り大事なのは多少の違いがあろうと相手のことをちゃんと知ろうとすることなのだろう。

※2018年末にレンタルで再度観賞。
やっぱり登場人物毎に区切られた構成がお見事。各登場人物毎に丁寧な心理描写の掘り下げをしてくれる作りなので、何故あの人はあんな行動をしたのかという理由に非常に共感しやすい。その上でより良い方向に向かっていく物語なので、そりゃあもうカタルシスがぐわっと込み上げて来る。
オギーくん自身の魅力で道を切り開いていく様も勇気がもらえる。傑作。
千里

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