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ワンダー 君は太陽のFHTのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.3
たった1人寄り添ってくれるだけで、人生は大きく変わる。

たった1つ気付いてくれるだけで、人生は大きく変わる。

それとは逆に

たった1人離れていくだけで、人生は大きく変わったり...

たった1回突き放されるだけで、人生は大きく変わったり...


2つのテーマがこの作品には詰まっています。

オギーはトリーチャー・コリンズ症候群という病気で顔のパーツがうまく整形されず顔が変形してしまう病気。

オギーはそのせいで同級生からいじめを受けたり、避けられたりする。

そんなオギーを支える家族が素晴らしい。

"心の狭い行いは大きな心で許してあげて"と母は教え
"大きな人間になって見下ろしてやれ"と父は教える。
この両者真逆の意見だが両方とも身になる言葉で温かな言葉。
こんな両親に育てられたオギーは幸せ者だ。
そして立派で優しい姉がいつでも支えてくれる。

だが姉は姉で悩みを持っている。
それはオギーが大きな病気にかかっている為両親はつきっきり。姉のヴィアは両親から何でも出来る世界一手のかからない子と言われているが、ヴィアは少し除け者にされている感覚になっている。
作中にもオギーは太陽。両親と姉はそれを囲う惑星というセリフがあり、オギー中心で回っている家庭という事がわかる。

ヴィアはおばあちゃん子であったが、そのおばあちゃんも亡くなり、親友のミランダが突然距離を置かれる。
ヴィアは心の中でいつも"オギーだけじゃなく私も見て"と叫んでいる。
そんな心に穴が空いた時に演劇部のジャスティンに出会う。
そして"自分を変える為"に演劇部に入る。

この作品もオギーが中心だけど、姉のヴィアが本当に良い子で優しい笑顔が好きすぎるので僕はちゃんとヴィアにもスポット当てていきます笑

オギーは理科が苦手なジャックにカンニングをさせる。それを機にジャックはオギーと距離を縮める。後にオギーとジャックは親友関係に。オギーの世界が変わった瞬間である。些細なきっかけが大きな変化に繋がる瞬間。

ヴィアは演劇部のジャスティンと出会った事で "控えめで聞き役だった自分" を変えたいと思い始める。
そしてジャスティン!ヴィアの事好きなのバレバレだぞー!!笑



オギーにとってのビッグイベント!
ハロウィン!

みんなが変装して唯一前を向いて意気揚々と過ごせる日だ。何故ならオギーを捨ててみんなと同じになれるからだ。
だがその日に最悪な事が起きる。
親友だったジャックが陰で悪口を言っていたところを聞いてしまう。
天から地へ一気に落とされたオギーは吐き気を催し家にこもってしまう。


ヴィアもこのハロウィンの日に久々に母親から一緒に過ごそうと提案される。
だからヴィアにとってもハロウィンは特別な日だった。
だが、オギーが家にこもってしまい母はオギーの元へ。
ヴィアにとっても天から地へ落とされた最悪の日となってしまった。

それでもヴィアはオギーに寄り添い、話を聞いてあげ、自分の辛さも伝え "人は突然変わる"事を教え、一緒にハロウィンに行く事に。
良い姉だー!!好きー!!


話は戻ってジャックは何故あんな事を言ったのか。
ジャックはオギーの事を親友と思っているのに。。
理由はジャックが優しくて気遣いの出来る子だから。
だから周りに合わしちゃったんだよねー。
これは良く無い事だ。それに気付いてくれると良いけど。
結局マイクラのチャット内で謝って仲直り!良かったね!


ジャスティンの恋の行方はどうなったかというと?
110ページのキスシーンの練習をしない?と架空の台本を立てて愛の告白をする。
ここは乗れねー!もっとシンプルで良いよー!僕が嫉妬してるだけか!?嫉妬かー!?幸せにな!!

ミランダは人生を変えたヴィアを見て自分の醜さや自分の未熟さを痛感する。そしてヴィアの存在の大きさや逞しさに気付く。
ミランダは何故ヴィアと口をきかないのか?
ミランダはサマーキャンプで親友のヴィアの人生のマネをし人気者になった。
そんな事をヴィアに言える訳もなく、申し訳ないと思ってるが上手く言えない。
そこでミランダが起こしたアクションは、演劇の配役が付いてないヴィアに自分の役をあげる事だった。
舞台に立つ一人前のヴィアを観て母は幼き頃の姉を思い出す。そしてヴィアは母の温もりをやっと感じる事ができた。
そしてミランダとヴィアはいつの間にか無事仲直りしている。これは恐らくジャスティンが何故ミランダが役を変わったかの経緯をヴィアに話したんだと思う。


この家族にはデイジーという愛犬がいた。
そんなワンワンがある日病気で亡くなってしまう。
悲しい時はいっぱい悲しんで、その悲しみを大事に、今まで大事にしてたものをもっと大事にするように成長していくものだ。


そういや校長先生が良いこと言ってたね。どんな話にも2つの面があるって。
「人を殴るのはいけない事だが、親友は守るべきものだ」人を守る為に人を傷つけてしまう事もある。僕も大事な仲間を守る為なら自分を犠牲にしてしまうだろうな。。それくらい大切だから。



正しい道を歩んだ人にしっかり光が当たる理想の世界を描いた作品だった。
現実の世界は実際のところ汚れきっている。生きにくい世界で死にたくなる。
だけどこの光が少しでもこの世界に増やす事が出来るのなら僕はこの世界で生き続けたい。
FHT

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