Kana

ワンダー 君は太陽のKanaのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
3.0
生まれつき障害を持った少年、彼の周りの人々の成長、そして思春期の複雑さと世界の広さを描いた物語。
主人公はオギーですが、オムニバスのように登場人物それぞれの視点で時は進み、本当の主人公は別にいるんじゃないかと思えてきます。
平和な世界…みんなが優しくて、不器用で、温かくて、本当に世界がこんななら、きっと諍いは起きないだろうに。
それでも悲しい思いをする人がいるんだから、人間関係は難しい。
ヴィアが良い子すぎて泣けてくる…。
「なんでも自分の話だと思わないでよ」
涙を堪えて言ったこの言葉は全ての登場人物へ、そしてこの映画を見る全ての人へ向けた言葉に聞こえました。
思春期になり、子供から大人へ、考えることが増えるに連れ、思考回路がまとまらなくなり、気持ちを言葉に出来なくなる。
胸の内でどんどん膨らんで、上手に外に出せなくなる。
成長すると少しずつ、外に出せない気持ちを飲み込むことを覚える。
もっと成長すると、焦らずゆっくりと噛み締めて、言葉を選ぶことを覚えていく。
間違えることがあったとしても、やり直すことは出来る。
家族は愛に溢れ、学友も素直で、大人たちは誠実で、少し…いやだいぶ綺麗すぎるストーリーには感じましたが、こんな世界が当たり前にあるといいなと思います。
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