Yoshishun

アーリーマン〜ダグと仲間のキックオフ!〜のYoshishunのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

原始人×サッカー!!?
出オチ感半端ない設定と思いきや、ちゃんとしたストーリーも健在。『ウォレスとグルミット』シリーズでお馴染みのアードマン製作によるクレイアニメーション。監督は、『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』以来8年ぶりであり、これが初単独監督作であるニック・パーク。

今年は『ぼくの名前はズッキーニ』『犬ヶ島』とやたらストップモーションアニメが豊作であり、本作が自分の中では大本命としていました。何せ久々のニック・パーク監督作ですから。次は『ウォレスとグルミット』の新作が噂されてますのでそれも超楽しみです。

さて、今回は初めに鑑賞済の2本と比較していきたいと思います。
結論からいうと、メッセージ性は『ぼくの名前はズッキーニ』、芸術性は『犬ヶ島』、娯楽性は『アーリーマン』って感じです。どれも監督の個性が強く出ていてバラエティーに富んだ作品だと思います。この3本の中では『犬ヶ島』が1番好みでしたが、何も考えずに楽しく観れるという点では『アーリーマン』は最高でした。

展開は急ぎ気味だし、王道すぎ。またキャラクタービジュアルも新鮮味かなく、いつも通りの印象。暴力描写も多いので一類に子ども向けであるともいえない……悪い点は確かに存在します。

ただ娯楽作としての勢いが嫌いになれません。ハイテンションなギャグを手間のかかる技術で丁寧に作り込んでいることは確かですし、ダメな部分を持ったチームが一致団結し、最強チームに戦いを挑むという胸厚な展開は好きです。今回は変に子供向けにしようとしない過激なジョークが奮段に盛り込まれているのも、監督のまた新たな1面を見れているようで良かったと思います。

『ひつじのショーン』みたいに子ども受けしないのもあってか、全米のみならず、日本でも大コケしているようで……可愛いキャラクターがいなかったのがやはり失敗だったのでしょうか?
それでもニック・パーク監督自ら自信作と豪語してるだけある痛快な作品。先日までワールドカップで騒いでたのに、サッカーが題材なのにこんなに閑散としてるのが非常に残念、もっと沢山の人に見て欲しいんですけどね……

エンドロールではあんなキャラやこんなキャラが出てるから、アードマンのファンなら絶対観るべき。それと監督、次回こそウォレスとグルミットお願いしますm(__)m
Yoshishun

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