私は戦争映画をいくつも観てきたが、今現在、今作を超えるものはない。
これほど重苦しい作品は観たことがない。
言葉が出てこない。
最初にこの映画を観たのは、小劇場での鑑賞でした。
その時も、エンドロールが終わってからもしばらく立ち上がれなかった。
この度、CSにて再鑑賞したが、点数もどう付けたらいいのか分からない。
内容が惨すぎて、こんな高得点は付けたくない。それくらいに惨い。
ヒトラーの右腕であったハイドリヒを暗殺すべく、チェコにパラシュートで密かに入国して来たヨゼフとヤン。
その作戦の行方とその後を描く。
人の命というのは、こんなにも儚いのか?
国を、国民を守るために、捧げられた命。
戦争はやっぱり悲劇です。
なんのためにやるのか?
どうにもこうにも理解し難い。
お国のため?
そんなために愛する人の命も自分の命も終わらせてしまうのか?
自分が戦時中に生きていなくて本当に良かったと思う反面、そういった時代があったことをしっかりと認識しなければならない。
そういった戦争がもたらす惨さ、無意味さ、残虐さやナチス・ドイツの恐ろしさを後世に伝えるという意味では、この作品に個人的には5点満点を付けたい。
ラストのヨゼフ(キリアン・マーフィ)が見せた顔。
あれが全てを物語っているでしょう。
涙が止まらなかった。
目を覆いたくなるシーンもいくつもある。
出来ればこんな作品は観たくない。
でも、やっぱり戦争映画としてはオススメしたい。
唯一、邦題がミスリードを誘うので、そこだけ不満があるが。
まぁ、「エンスラポイド」では人が集まらないと思ったのだろうか?
いずれにしても、この邦題からは想像もつかないストーリー運びがある。
ぜひ、ご一見を。