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東京喰種 トーキョーグールのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
人の姿をしながらも、水とコーヒー以外で摂取できるのは人体のみという正体不明の怪人“喰種(グール)”が人間と同じように暮らしている東京。ごく普通の内気な大学生のカネキ(窪田正孝)は、ある日、事故で重傷を負い、事故のとき一緒にいた喰種の少女・リゼ(蒼井優)の臓器を移植されたことで半喰種となってしまう。自分が喰種化したことで苦悩するカネキは、以前から通い詰めていた喫茶店あんていくで働き始める。あんていくは喰種が集まる店で、そこで出会ったアルバイトの女子高生・トーカ(清水富美加)も喰種だった。トーカはぶっきらぼうな態度を取りつつもカネキを助ける存在となっていき、カネキは喰種たちのことを深く知るにつれ、大切な仲間や友人とどう向き合うか葛藤する。そんななか、喰種を駆逐しようとする人間側の組織CCGの捜査官・亜門(鈴木伸之)と真戸(大泉洋)が現れ、人間と喰種の戦いが激化していく……。
石田スイの大ヒットコミックの実写化。前半から中盤まで、喰種の臓器を移植され、半喰種になってしまったカネキの戸惑いと苦しみと葛藤を窪田正孝が渾身で演じきり、トーカたち喫茶あんてぃくの仲間と暮らしていく中で、トーカたち喰種の中にある苦悩や大事なものを守る愛(トーカが人間の親友が作ってくれた弁当を一生懸命食べるシーンや喰種の母が娘を守るシーンは号泣もの)を知り、カネキがトーカに戦い方を習うなど成長していく展開が丁寧に描かれているので、クライマックスのカネキと亜門やトーカと真戸のバトルはリアルな特殊効果とアクションが迫力たっぷりだし、カネキを演じた窪田正孝やトーカを演じた清水富美子の熱演が光っていて、弱肉強食の業を背負う生命についての哲学的なメッセージ性もあり、原作のイメージを壊さない実写化に成功している。
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