このレビューはネタバレを含みます
満足。
もう世界に均一的なハッピーエンドなんて存在しないんだなと強く感じました。
ピクサー(というかディズニー)がずっとやって来た”家から出て家に帰る話”という鉄板構成である成長家出物語を突破しているし、更に昨今の”君は君のままでいいんだよ”論も突破しちゃってるのにまず感動!!
とにかく関係に対しても個人に対しても終始変化を描き続けている。
変化に対してはやる気持ちも、変化に追いていかれた空虚さや情けなさもきちんと描かれている。
そして変わっていく中で、強固になる大切なものをあぶり出しているの何事かと思いますわ。大切なものすら変わっていく。
物語の終わりにはもちろん二人の成長した姿があるんだけど、まだ確立出来てない切なさを帯びているの最高過ぎる。
提示されてみて初めて、これが”成長”だって思いましたよ。
ビターなラストに見えるんだけれど、根底にあらゆる変化を前向きに捉えているのがこの作品のとびきり素晴らしい点だと私は思います。
インターネットの世界を舞台に”change"が明確なテーマなのは、すごいマッチしていた。
そして、大好物な悪ふざけ満々の小ネタとオマージュの数々。
プリンセス達の私服タイムだけずっと観ていたい位面白かった。
シニカルな笑いのオンパレード。
キャラだけじゃなくて、お決まりの「自分の顔が写る水辺で歌い出す」演出までイジってるの面白過ぎる。居酒屋かよ。
ネットネタだと、ツイートバード達が梢に止まってさえずっている画像キャプチャーが全て猫画像なのも最高。youtubeもbuzztube内も猫だらけ。
猫達がネットで莫大な富を稼いで、人間をかしずかせる話も撮ってよピクサー。
Instagramの建物がスッキリして上品だったのに対して、Pinterestはど真ん中に赤いピンが刺さってるだけだったの何で(笑)
何気に、もののけ姫が大分フィーチャーされてて結構嬉しかった。
個人的には、大好きなアニメーション映画でした。
買収しまくった甲斐あったねディズニー。