悪魔の毒々クチビル

クロムスカル リターンズの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

クロムスカル リターンズ(2011年製作の映画)
3.9
帰って来た殺人髑髏ことクロムスカル。
前作で文字通り顔面崩壊して流石に死んだと思いきや、どこからともなく怪しい集団がやってきて彼の手術を始めたではありませんか。

どうやらこのクロムスカル、単独で動いていたのでなくとある組織?会社?(何か''company''って呼ばれていました)のボスだったようで。
個人的にこういう無駄に壮大な設定って邪魔に感じるんだけど、クロムスカルがこうしてスクリーンに戻って来られたのは彼らの献身的な治療の賜物なので、そういうことは思ってはいけない。思っていても思ってはいけない。

で、復活した髑髏さんによる殺人劇が行われるかと思いきや、何と部下の一人が「クロムスカルの座は俺が継ぐ!」とイキり出します。
勝手に身内でいざこざが発生するのです。
それでも彼らの亀裂で物語がダレるかと言えばそこまででもなく、お互い片っ端から殺しを行っていくので割とスラスラ観れます。

そして今回も残酷描写はめっちゃパワフル。
腹を裂いてはモツが溢れ、頭部にナイフをぶっ刺してそのまま削ぎ落とし、チャンネーの口を一刀両断。
特に2代目スカル(自称)はやたら口を裂きたがります。
この2代目(自称)が組織の人間にオーダーメイドでナイフを作らせるんだけど、そのナイフがスタイリッシュで格好良い。何て言えば良いかな?刃が星形に広がってる感じのやつ。
一体(自称)はこのイカしたナイフをどう使うのか、とワクワクしながら観ていたのですが完全に予想の斜め上の使い方でした。あ、そうやって使うんだ、その部分。
まぁ裂くのが大好きな彼にはピッタリですな。

そして前作の後半でたまたま巻き込まれただけの不運な男、トーマス・デッカーが今作では実質的な主人公です。
劇中ではすっかり精神的に参ってしまっていて、暗さ全開ですがそれはそれで似合っているというか。

人がどんどんズタボロに殺されていきますが、何気にオープニングのクロムスカルの顔面手術シーンが一番エグかったです。

コメディ要素は皆無ですが、「ハチェット」シリーズみたいに思い切りゴアに振り切った映画が好きな人にはオススメ出来ます。
そういえばこっちにもダニエル・ハリス出てるしね。

日本で劇場公開とまでは行かなくとも、せめて国内盤がレンタルされればもっと知名度が上がると思うんだけどなぁ。