きゅうげん

サマー・インフェルノのきゅうげんのレビュー・感想・評価

サマー・インフェルノ(2015年製作の映画)
3.5
一言でいえばキノコデミック・ホラー。
ジャンプスケアへの入り方がみえみえすぎるし、そのはずしギャグも安易だし、アクションシーンのグラグラカメラは過剰だし、カットを割って寄ってみせる陳腐だし、アクションの段取りに考えがなさすぎるし……。
「安っぽ〜い」というのが第一印象。

ですが、メインキャラがポンポンやられ、加害・被害が入れ替わってポンポン進むテンポ感や、それに輪をかけたオフビートな天丼芸など、存外に頑張ってるところも。
人間関係の機微・交錯に絡ませた、凶暴化とシラフとの面白みある起伏はなかなか楽しいです。
というか、表面化してる事態(忘我バトル)と潜在的な原因(きのこサスペンス)との、アイデアの構成が意外と上手。
ただ、匂わせた要素をキレイに回収しようとするあまり、物語全体がそこへ奉仕して本末転倒になってる感じが無きにしも非ず。
あとオープニングと対応するように入ってるエンドロールのナレーションは完全に蛇足ですね。

始めから終わりまでずっと満身創痍なのに、いちばん散々な目に遭ってるメガネ君への応援上映になりました。