‘人生は死者を見送ることなのだ’
何気ない一瞬こそが幸せの欠片なのだと思わされるあのスローモーション。
満ち足りていた瞬間が際立つ演出。
ピアノ曲にのせて、台詞を抑え映像で綴る、上流階級の大家族の物語。甘美で上質な夢心地の世界。目に映るものすべてが絵画のよう。頭の中が美しいシーンばかりで満たされていく。
あんなに清らかでハッとする‘自転車’のシーン、他にあるでしょうか…
あまりに優雅で生活の匂いはそこにはなく、描かれるのは永遠に紡がれていく家族の系譜の尊さ。産み、育て、慈しみそして次の世代へ…
深い『母性』に包まれたような感覚。