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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのAimのレビュー・感想・評価

3.1
救いのない選択。救いのない人間の本質。

ラスト10分間、眉間に皺よりすぎて固定されるかと思った。

この作品に関して、全くの知識なし、ただ小耳に胸糞要素があることしか知らなかった状態で視聴。題名がめちゃめちゃ好きで気になってた、くらいの認識でした。この作品、ギリシャ神話から着想を得たようで。すごいね!映画作る人!

あらすじは簡単に説明しづらいですけどらあんまり前知識ないほうがより楽しめると思いますので、めちゃめちゃざっくりと。

〜超簡単な雑あらすじ〜
医者のスティーブンが、以前手術したが亡くなった男性の息子マーティンと交流があった。その中で徐々に生じる違和感。徐々に明かされる事実。そして避けられない事実と、救いのない選択。
これ以上は説明するとこの映画の魅力を先に言ってしまう気がするなあ。なのでこれくらいにします。

〜以下感想〜
◯前半約30分
この時間はただただ静かに日常が進んでいる、ただスティーブンがあやしい?みたいな時間が流れていて、視聴者としては全く最初は面白さや不穏さを感じなかった。2時間のうちの30分も使っていいのか?感あったかな。この時間のある意味フラストレーションが後々響いてたのかな?と思いきや。家族の平穏かつ幸福な時間が長いほど、ラストにかけての不快感を助長させてた。気がする。
◯音楽
劇中で使用されている音楽は、最初は大げさすぎていて、浮いているように感じた。不穏極まりない音楽だったけど、それほどな雰囲気じゃなくね?と思うことがしばしば。ただこの影響か、ラスト10分のこの音楽がなくなることに不快感と不安感を覚えた、これはやられた。。。足音と、息音のみのシーン、強烈でした。そしておそろしいことにエンドロールまで無音に近い状態。
◯この作品に救いがない。
条件を変えてしまえば、選択も変わり、おそらくラストに与える影響も変わるのだろうが、選択肢を最も残酷なものにしている。主人公に委ねられた選択に縋るしかない人間の、なんと醜いことか………でも自分が立場変わると違うんかな。いやそれにしても悲しくなるほど人間の本質というか……なんというか………ね……嫌悪感〜、、、だからってマーティンを恨むのも違うのよね。でもメインの登場人物みんな嫌に見える。
この作品、好きとか嫌いとか言うカテゴリーに入れにくい。でも忘れられない作品となりました。
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