りめんばーみー

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのりめんばーみーのレビュー・感想・評価

3.8
【前半〜後半前まで】
始まってから、後半の前まで、どう展開するのかドキドキしながら観た。音と画でどこに向かうのかわからない不安へと観客を導いてくれる。
スゲエ怖いし、切迫感が伝わってくる。

【後半戦】
後半がグダる。起承転結の転の段階なので、特にリズムよく進んで欲しかった。
非常にもったいない。
が、俳優たちの演技はだんだん狂気じみてくるので、グダグタ感は緩和される。
特にキッドマン(ママさん)のセリフは凍りついた。

【ヤバイ存在感】
特に、マーティンを演じたバリー・コーガンの存在が全体を不気味な方向に導いてくれる。綺麗な瞳なのに、真意が読みにくい無表情な顔が非常に映える。笑顔だけど邪さを感じさせ、狂気のセリフを興奮することなく吐いていく。特にパスタを食うシーンは最高である。
彼を見るだけでも一見の価値がある。

全くの偶然だが、カリテで同日に『彼の見つめる先に』『聖なる鹿殺し』と聖と邪の少年2人を見れ、若手役者の底力を見た気がする。


【以下、ちょっぴりネタバレ】
医者なんだから別の方法あるだろ!?と誰もが突っ込むルーレットシーンは、悪趣味さに笑ってしまった。

もう一言。鹿は一切出てこないぞ!!
誰かこのタイトルの意味を教えてください。コトワザ? 聖書かなんかの引用?
りめんばーみー

りめんばーみー