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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのEPATAYのレビュー・感想・評価

4.3
面白かったなあ。

とにかく気持ちが悪い。
常に誰かに見られているような気持ち悪さと、わかっているけど知らないふりして目を背けている人間の厭な部分を強制的に見せられてる気持ち悪さがある。

前者はなんかこう、家に自分しかいないのに誰かがいて見られているような気がするみたいな気持ち悪さとか不気味さ。

たぶんカメラワークの独特さが原因だと思います。
妙な程の俯瞰ショットや変な位置からの捉え方とか追っかけ方とか。
これに音楽が相まって得体のしれない気持ち悪さを生み出してすごく不気味な時間が続く。

後者はもうストーリーそのもの。
主人公スティーブンの元患者の息子らしいマーティンがどんどん変な行動をするようになるこのじわじわ感も気持ち悪いし、スパゲッティの食べ方とかめっちゃ気持ち悪い。

なんなら今作の被害者である家族もなんだか気持ち悪くて、その正体に気づいたときには不快感がMAXだけどそのときはもう遅くて目が離せない。

この映画が伝えたかったことが何なのかはっきりした答えは明かされなくてわかりませんが、
タイトルの通り、「アウリスのイピゲネイア」が一つの要素として組み込まれていて、それに「目には目を歯には歯を」の精神、"支配"するものとされるものという構図を描いてるのは確かですよね。

そこからまあ色々と考えることはできるんですけど、結局のところわかりません笑

あと、日本パッケージでは黒字で聖なる、赤字で鹿殺しになってますけど、違くないですか?
『聖なる・鹿殺し』じゃなくて『聖なる鹿・殺し』 だと思うんですけど。
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