ゆえん

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのゆえんのレビュー・感想・評価

3.9
ずっと不気味だった。
BGMが終始不穏な雰囲気で、スティーヴンがじわじわと追い詰められている様がこちらにまで迫ってくるから緊張感がすごい。
カメラアングルも、高い所から見下ろしていたり、逆にやや低めからだったり、魚眼だったり“ヒトの目線”ではない感じが奇妙さを引き立てていて悪夢を見せられている気さえしてくる。

因果応報みたいなことで、スティーヴンの手術中の過失の報いを受けているのはわかるけど、原理が不明瞭なままだから丸く収まったんだかなんとも言えない後味の悪さが残った。
謎の少年マーティンはポジションこそわかるものの、バックボーンが最後まではっきりとは言及されないし、恨みにしては感情が見えないし結局やっぱり謎のままだった。
あと、登場人物全員が冷静すぎるのもまた不気味。
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