jaja

22年目の告白 私が殺人犯ですのjajaのレビュー・感想・評価

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設定にいくつかの違和感があって、話に入っていけなかった。
ひとつは、曽根崎が真犯人であることの検証がなされないまま、世の中が盛り上がるなんてことはないだろう。いくら何でも、大衆の大半はそこまで馬鹿ではない。仮に、著書の中で犯人しか知りえない事実が公表されていない捜査上の情報と一致したとしても、警察がそれを認めるわけがなかろう。
もう一つは、仮に真犯人の可能性が高い客観的事実があったとしても、だからと言って大衆が殺人犯を「時代の寵児」のように持て囃すなんてことはしないだろう。たしかに、個人が特定されないネット上などでは一部のアホが盛り上がることはあるかもしれないが、サイン会に大挙して押しかけることなどあり得ない。
さらには、途中で真犯人は登場人物から自ずとわかってしまうので、あとはその動機に興味の対象は移るのだが、これがまた薄弱で……なんだかなあ。
jaja

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