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僕のワンダフル・ライフのきのネタバレレビュー・内容・結末

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後まで泣いてました笑。
汚くて申し訳ないですが、鼻垂れるほど泣いた…。物凄く感動しました。

生まれ変わる性質を持ったワンコが、ある「犬生」で出会った大好きな飼い主・イーサンにもう一度会いたい!という恋しさを胸に、何度も何度も生まれ変わるという話。
わたしはてっきり、生まれ変わるきっかけがイーサンへの強い思いからだと思っていたのだけど、いざ鑑賞してみると元々生まれ変わる性質を持ってたようで驚きました(笑)
そんな《トンデモ》に思える設定の他はなにもファンタジーな要素がなく、イーサンの父親が酒乱だったり、また別に生まれ変わった時の飼い主がネグレクトだったりと、リアルで心を抉られる問題をしっかり描いているのにも関わらず、なぜか設定が浮いて見えないから不思議。
犬視点で話が進んでいくからか、感情移入させ方が非常に上手く感じられました。
主人公のベイリーがテンポよく生まれ変わる話とも聞いていましたが、実際見てみると描かれ方が豊かで、テンポ良いけれど軽くないよという感じで物凄く絶妙。涙あり、笑いあり、のバランスもちょうど良い。

全体的にかわいい映画でしたが、本作でリアルに、シビアに描かれていたのは人間の多様性。
出会う人には良い飼い主もいれば悪い飼い主もいて、黒人もいれば白人もいて…。

そしてベイリー自身が女の子の時もあれば男の子の時もあって…という描写に、物凄く面白さというか見応えを感じました。
これはベイリーが冒頭からずっと考えていること「自分の人生の目的ってなんだろう?」に繋がると思うのですが、
自分が何者でも良いんだ、今を大切に楽しんで生きよう。と言うと壮大に聞こえますが、パーソナルな問題だと考えると良い意味で大した問題でもないなと、心が軽くなる気がしました。

大泣きして、心と頭をスッキリさせることができる、そしてちょっぴり考えさせられる、良い娯楽映画でした。

追記。
ただ一つだけ気がかり!
イーサンが亡くなったら、ベイリーはどうなってしまうんだろう?
また生まれ変わるのかなと思いつつ、もうそこにはイーサンはいないわけで、深い気持ちになりました。
あと、カルロスはリリー(ベイリー)が居なくなってしまった後、誰かとまた出会って孤独とお別れできたのかな…
き