きゅうげん

ウィジャ ビギニング ~呪い襲い殺す~のきゅうげんのレビュー・感想・評価

3.6
青は藍より出でて藍より青し。
監督は後に『ジェラルドのゲーム』『ドクター・スリープ』とキング作品映像化の雄となったマイク・フラナガンにバトンタッチ。

60年代の雰囲気づくりには高い完成度があり、またジェームズ・ワン以降の「アクロバット・エクソシズム」潮流も上手に織り込んでます。
緊張感や恐怖のあるシーンではカメラワークが最小限に抑制され、画角内の要素も切り詰められていながら切迫感を感じるつくりになっていて、ツボをおさえた恐ろしさがあります。

前作以上に少ない人数の間の話ながら、家族関係の機微に交えた展開の妙がストーリーのカタルシスとも密接に関わり合い、泣かせるファミリーものになってます。
(以前のぼんやりさが嘘のよう。)
特に妹ドリスの、天真爛漫な様子がそのまま不思議ちゃんへ移行し無垢であるがゆえに最恐の存在になってしまう変貌っぷりは素晴らしいですね。
演じたルル・ウィルソンさん、なんと『NY心霊捜査官』『ドクター・ストレンジ』『アナベル 死霊人形の誕生』というフィルモグラフィーで、最新作は去年(一部で)話題になったあの『ベッキー』。もはやエリートの経歴です。

ところで本作、真相を暴けばどんどん過去へ遡ることのできる構図になってますけど、ナチ収容所でのオカルトホラーなんて具合に続くんですかね?
それとエリオットくん、老けましたね〜。