ぼく

サバイバルファミリーのぼくのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
4.7
急に謎の大停電、そしてそこからくるガス水道のストップをうけて都心の一般家庭がどう生きるのかという話。
家族の絆や感動を描くものではなく、BGMは少なめにドキュメンタリー風に描かれる。出てくるのはおおよそ平均的な日本人が多く「こうなったらそりゃこうするよな」と共感できるポイントが多かった。
序盤は過剰に説明的で家庭を重視しない父親、生魚を気持ち悪いと言い捌けない母親、魚料理を嫌って母親の故郷を露骨に嫌う娘、ジャンクフードを晩ご飯に大音量で音楽を聞きながらPCで講義の画像を見直す兄…家庭が5つあれば1人いそうな現代人を固めたもんだから違和感がすごい。スマホがダメになって電源スイッチでなく画面をタップしまくる女子高生はおそらくいない。アホ用に露骨に解説的になっていた。もうちょっと普通の家庭でいいのに!
それぞれが災害に向かい合い、やる気のスイッチがオン・オフになるタイミングはバラバラ。しかしここがいい。家族といえどみんな違う人間なんだからそりゃそうだよなーと思いながら見ていた。
この映画は実際にスタッフが家族と同じ行動をして撮影に臨んだらしく力強く「お前はどうなの?」と観客に語りかけてくる。
長々と書きましたが文句なしに最上位の邦画でした。最近の流行りにのらないような映画なので邦画はもう見てないなって人にこそオススメの映画です。
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