ビッグビッグビッグマフ

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のビッグビッグビッグマフのレビュー・感想・評価

3.8
聴こえなくなる主人公が元々バンドマンであり、かつ、がっつりヘビーオルタナ系のツーピースバンドというのが辛い。
聴こえなくなる描写が映画の音響効果を利用したもので、観客に追体験させる力が凄まじかった。

が、この映画の一番ハッとしたところは脚本で、およそ観客が想像する"聴こえなくなっても希望はある"みたいな予想を斜めからぶった斬る。
圧倒的な絶望でも、圧倒的な希望でもない感情の機微こそが既存の同ジャンルの作品と一線を画すところだと思う。
絶対にありえるのに経験していない出来事って自分ごとに感じてしまうよな。