ビッグビッグビッグマフ

真夜中の虹のビッグビッグビッグマフのレビュー・感想・評価

真夜中の虹(1988年製作の映画)
4.0
初っ端からリストラ、父の死、しかたなしに父の形見のキャデラックでロードムービーへ突入。
その道にも次から次へと悲劇が主人公に降りかかる。悲劇が悲劇を産む。悲しみの自家発電。恐怖のピタゴラスイッチ。

しかし、愛する人々ができる。
不幸VS愛する人々というシーソーゲームがどちらに傾くのか。無罪でも有罪になるか、犯罪者にも人情があるか、真夜中にも虹はかかるか。絶望に希望はあるか…みたいな話でした。

ここまで書くと辛気臭くてシリアスな感動ものを想像するだろうけれど、カットとカメラワークが余計なエモという贅肉を斬りまくる。乾いた風が通り抜けるようにユーモアとやさしさが爆走していく。

映画で大袈裟なテーマは訴求力があるのはわかるけど、表現まで大袈裟にしなくていいよな。むしろこういう映画の方がよっぽど研鑽と愛に満ちていると思うのよね。やさしくて笑えて洒脱でドライなグッドスメルズムービー。

おまけに原題がお見事。