みんと

荒野にてのみんとのレビュー・感想・評価

荒野にて(2017年製作の映画)
4.1
見始めて数分で名作を確信した何とも叙情的で美しい作品だった。

母に捨てられ父を亡くし愛してくれる存在全てを失った15歳の少年と愛馬ピートとのロードムービー。

愛に飢えた孤独な少年が落とされたのはまさしく荒野。無関心な人間社会で居場所を求めて彷徨うチャリーの姿がチャーリー・プラマーによってそれは繊細に瑞々しく描かれていた。

孤独と痛み、もっと言えば死をも意識させる過酷な状況にあっても生きる事を諦めない強さと消えそうで消えない良心、更には誠実な眼差しに胸が締め付けられる。

また静かな音楽が大きく感情を揺さぶり、いつの間にかチャーリー少年に寄り添う母のような気持ちで観ていた。

心の奥底に静かにゆっくりと訴えかける良作だった。
みんと

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