『ツイスターズ』の予習として鑑賞。
名作かどうかは怪しいけど正直かなり好き。
あらすじとしてはドロシーというちっちゃい測定器を大量に竜巻に巻き上げさせて、それでデータをとって今後の予測に活かしたい。ただその為には竜巻に近づかなきゃダメだね、頑張ろう!って映画。
まずこのドロシーが面白いと思った。
これって言うなれば竜巻のモーションキャプチャなわけで、この時代にモーションキャプチャの発想がある映画ってだけでも面白い。
(モデルが画面に表示されてたしそう言って差し支えないと思う。詳しい人に言わせてみれば定義とズレがあるかもしれないけど。)
『シン・ゴジラ』ではモーションキャプチャが使われていて、本質的には着ぐるみと一緒ということが面白みの一つだった。
鳴き声的な音も入るし、神出鬼没で予測不能な感じは怪しいし、文字通り災害であるということからも、今作は怪獣映画とみなしてもいいんじゃないかなと思う。
ハリケーンには女性の名前を当てるし、タイトルはそのまま『怪獣ドロシー』。
問題は竜巻が出たり消えたりするから、最初からずっと同じ個体じゃないこと。そういう意味でやっぱり怪獣映画ってのは大袈裟かな。
でもそう言う楽しみ方も一つあると思う。
次に音楽、これがめっちゃいい。竜巻を追うだけの一辺倒なストーリーに過剰とも取られかねないほど音楽で盛り上げてくれるのが個人的にはめちゃくちゃ有難かった。
ひたすらに竜巻を追いかけるだけのストーリーではあるけど、その感じが良い意味で『怒りのデスロード』っぽさもある。
そして、ジョーが進路を決める感じは女版ルフィ、ビルの風を読む力は男版ナミに感じて、『ワンピース』っぽさもあるなと思った。
メンバーの異常なハイテンションさをもっと激しくしたら「マッド」になるし、少し抑えたら「ワクワク」にもなるから、本当に『怒りのデスロード』と『ワンピース』の間の子って感じがした。
(てかなんでみんなあんなにハイテンションなんだ?笑取り憑かれてるよ竜巻に。ジョーもあの過去をモチベーションにほぼ100%持って行けるの異常だよ。)
映像表現もかなりいい。
96年とは思わせないクオリティでCGも満足。
贅沢にセットが破壊され続ける感じも最高。
終盤に差し掛かった頃の車を避けた後に家が綺麗に道を塞いでその家を突っ切る感じとかはもう笑っちゃった。
周りの景色が開けすぎてて道路にホールインワンする感じが嘘くさくて面白い。チープなアトラクションみたいで、でもその感じもたまらなく良かった。
家ん中通るってどういうことだよ笑
盗用者くんも絵に描いたような爆発死してて最高だった。
クライマックスの全部が愛おしかった。
あと、女性二人がナチュラルな感じで、『スピード』のサンドラ・ブロック程ではないにしろ可愛かった。この監督とは分かり合えるかもしれない。
良くないところとしてはやっぱり中盤の退屈さ。
ドロシーを使おうとして失敗するだけなのは仕方ないにしても、失敗の仕方大喜利はめちゃくちゃ下手。それに、ビルがジョーのことを好きなせいで過保護になってるのか、寸前のところでビルが邪魔する感じはちょっとストレスだった。
最終的には「容器が重くないからドロシーが綺麗に巻き上がってくれない」って気づいて成功するわけだけど、それはもっと早く気づけるじゃん…ていうのも正直ある。
『スピード』と今作しか見てないけど、ヤン・デ・ポン監督作は全体的な雰囲気が好みかもしれない。
『スピード』の方が絶対面白いけど、期待してなかった分今作の方がテンションは上がってます。
そんなに多くはなさそうだけど、この監督のこの先の作品を見るの本当に楽しみ。
平均3.3の君を俺は愛すよ『ツイスター』!
どう考えても過大評価なのは分かるが高スコア付けずにはいられない!
こういう掘り出し物が映画鑑賞の醍醐味だ!!