ここまでストレートで一直線な映画も今となってはなかなか観ないが、寄り道しない明快さのおかげで後半に向けてどんどんギアが上がっていく。とはいえ竜巻への異常な執着を裏付ける最小限の回想に、男女の恋愛模様であったりヒューマニズムも忘れない。死んでしまうかもしれない状況というのに自ら飛び込んでいく研究者たちの姿は無謀であるが、心躍らせる彼らを見ていると無垢なロマンチストに見えてくる。そして終盤のF5級の竜巻のシーンでは、車が雨のように降ってきたり、家が転がってきたり、さらにはその家を車で突き破ったりとハリウッドスケールのアクションで楽しませてくれる。絶対主人公が吹っ飛ばされてるやろというシーンも愛着に変わるし、こうした振り切れ方が最高である。