生まれに恵まれず、罪を犯し、出来損ないの烙印を押され、未来を思い描くことなく、ただ生きるためだけに生きていた人生の落伍者が、立ち上がり歩き出す話。
とにかく重くて暗い…前後編とあるので、まだ結末はわからないけれど、ハッピーエンドにはならないだろうことは想像がつく。
ありがちな話だけれど、滲み出る負のオーラにとてつもないリアリティがある。
暴力とセックスと弱肉強食の連鎖は村上龍の小説を読んでいるようで、全く楽しくはないけれど、すごい映画だなぁとは思いました。
菅田将暉は闇を抱えた役が多すぎる笑
でもこれまで見た中で一番リアリティがあったと思います。
共喰いやそこのみにて…などこれまで似た役柄もあって演技力が大きく違うわけではないのだけど、これまでは菅田将暉だけが特殊な存在で目を引いて、逆に言えば周囲から浮いていたのに対して、ものすごく自然だった。
それは紛れもなく相棒のヤンイクチュンのおかげなんだろうなぁ。
お互いを刺激しあい、お互いを意識しあい切磋琢磨して、作品の中の関係が役者としての2人の関係と重なっていて、相乗効果を感じました。
プロローグが長すぎて何度か鑑賞断念しかけたけれど、ひとまず前半が見れてよかった。
闇が爆発する後半に期待します。
