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ティーン・ウルフのakrutmのレビュー・感想・評価

ティーン・ウルフ(1985年製作の映画)
3.3
マイケル・J・フォックス演じる高校生スコットが狼男に変身することで、高校生活ががらりと変わってしまう様子を面白おかしく描いた、ロッド・ダニエル監督の青春学園映画。彼の代表作である『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の直後に公開されたのが本作であり、その相乗効果もあってか、公開直後の週末興行成績は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に続く第二位になるなど、興行的には成功を収めた。一方で、批評家たちの評価はかなり低いものになっている。

そりゃあ『バック・トゥ・ザ・フューチャ』と比べたら、かなり見劣りしてしまうのは仕方ないが、何も考えずに頭の中を空っぽにして楽しむ分には、そこそこ見ることができる映画である。狼男になったスコットは運動神経が抜群になるので、それまで弱小だったバスケットチームが勝ち続けて大会の決勝にまで勝ち上がる(⇒なんで狼男だと、バスケットが上手くなるのかはよくわからんが)。高校のスターになったスコットは、毛むくじゃらにも関わらず、女の子にもモテモテになる(⇒うーん、ワイルドな感じがモテるのか)。

それでもはち切れ過ぎずにやや抑え目なストーリー展開も、微妙と言えば微妙だが、まあそれもご愛嬌。例えば、スコットが以前から気になっていた同級生の女性パメラと狼男になってから良い仲になるが、それも一時だけで、それ以降は元の恋人のところに戻ってしまうという、なんとも中途半端な緩さがいいのかもしれない。個人的には幼馴染のブーフのほうがずっと可愛いと思うのだが。

こんなB級っぽい内容でも、80年代の映画は音楽が素晴らしいのは相変わらずである。マイケル・J・フォックス自身もこの映画はあまり好きではなかったようで、2年後に製作された『ティーン・ウフル2』という続編への出演依頼は断っている。なお、この映画でのヒロインであるスコットの幼馴染のブーフとスコットが憧れていたパメラを演じた二人の女優(スーザン・アルシッティ、ロリー・グリフィン)は、この映画がほぼデビュー作・代表作であるとともに、90年代後半には女優としてのキャリアを終えている。
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