おかだ

まともな男のおかだのレビュー・感想・評価

まともな男(2015年製作の映画)
3.5
序盤の車のシーンで引きの構図を多用しているので
映し出される雄大な景色が人間の小ささを思い出させる。

レビューを読んでいると、父親の行動や性格を非難する声が散見されるが
個人的には、登場人物全員の未熟さに共感できた。
例えば、母親は父親を責めているが
もし悪者になることを厭わなかったら
家族関係はさらに良くなるだろう。
では、なぜそうしないのか
それは、自分の立場を守り、負担を軽減するためだろう。
もちろんこれは一例に過ぎず母親に限った話ではないし
もっと改善すべき点があるのも事実だ。

さて、この映画を観た人間で本当の意味で他人のためにすべてを捧げることができる人がどれ位いるだろうか。
この映画の登場人物や私を含め、人間とは結局自分が1番可愛いのだ。
しかし、そういった気持ちの中には
自分を守りながらも、自分を取り巻く人間も守りたいという要素も持ち合わせているということも忘れてはいけない。

一種の人間臭さに共感できる作品であった。
おかだ

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