やの

新感染 ファイナル・エクスプレスのやののネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

街が軍が秩序が機能しなくなった時に、人間がどんな行動を取るのか、ということを突き詰めたような映画だった。
自分の身よりも何よりも守りたい相手がいる、そんな彼らは自我を保って必死に生き抜いていた。
前方車両に向かうまでの間に主人公と男達には一体感が芽生え、一種のチームが出来上がっていた。トイレの中での男3人の何気ない会話にとても安心して、これから何とかなりそうな気までしてきた。
彼らならきっとうまく生きていける。そう感じた。のに。なのにさ。
なーんでみんなスルッと幸せになれないんだ。

生きてる人間がいちばん怖い、っていうテンプレがしっかり活きてた生存者対決。
後方車両から命からがら移ってきた主人公たちを受け入れず、追い出そうとする彼らの異様な雰囲気にはとても言いようのない不快さと恐怖を感じた。
メンタル的には彼らの方が何かに感染しているようだった。

まさか乗車車両が別れた老姉妹がきっかけになるとは思わなかったし、めちゃくちゃ泣かされた。振り返ってみればあの姉はとても妹を可愛がっていた。めちゃくちゃ泣かされた。
そして、バス会社だかなんだかの偉そうなジジイ!お前はマジで許さん!

漢気ある彼が妻とお腹の子を主人公に託し逝き、うら若い未来あるカップルが大人の汚い生き様に巻き込まれて逝き、後半の怒涛のお別れに泣きすぎて頭が痛くなっちゃったよ。辛すぎる。

ねぇー主人公まで死ぬ必要あったのカナ~!!
何かを犠牲にして得るものがある、的な展開はグエムルにも通うとこがある。
お国柄かな?
やの

やの